あけましておめでとうございます。謹んで年頭のご挨拶を申し上げます。
市民の皆様方におかれましては、ご健勝にて清々しい初春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
昨年の2月以降、新型コロナウイルス感染症は拡大を続け、4月には感染拡大防止に向けた「緊急事態宣言」が全国に発出され、私たちの生活、経済産業、医療・福祉・介護、教育など、暮らしの隅々まで強烈なダメージを与え、これまでの日常が一変し、大きな損失と先行き不透明な現実を引き起こしました。
その状況下、今もなお、高い使命感と強い責任感をもって、感染拡大防止に日夜、取り組まれている医療従事者の方々をはじめ、あらゆる業種の関係各位のご尽力に、衷心より深謝し、真に頭が下がります。
市におきましても、県や関係機関と連携し、継続して感染拡大の防止に向けた取り組みを行っています。これからも、市民の皆様方とともに、基本であるマスクの着用、うがい・手洗い、手指の消毒、人との間隔の確保、3密を回避するなどに心掛け、「新しい生活様式」の実践を進めてまいります。
さて、阿蘇の悲願でありました豊肥本線の全線運転再開が、昨年8月に、国道57号北側復旧ルートと現道の国道57号が、同じく10月に開通し、阿蘇地域への交通アクセスが飛躍的に進展したことは、平成24年九州北部豪雨災害、平成28年熊本地震、中岳火口の爆発的噴火などにより失われた空白を確実に取り戻す、地域経済発展の大きな弾みになるビッグチャンスと捉えます。
投資されたインフラ回復の利便性と安心・安全性を活かし、喫緊の課題である働く場所の確保、移住・定住化策などをさらに進めてまいります。
また、阿蘇観光の主役である火口見学エリアの拡大、阿蘇山上周辺の整備をはじめ、環境省によるコロナ禍の新しいライフスタイルであるワーケーションの推進、文化庁から認定された文化観光クラスター推進事業など、コロナ禍から新たに生まれた政府の地域振興、産業推進事業を的確にキャッチし、積極的に取り組み、悠久より先人たちが育んできた類まれな火山からの贈りもの、自然・歴史・文化を守り、世界でも特異なカルデラでの暮らし、その貴き大地から生まれ、今日につながる強い経済基盤である農林・畜産、商工・観光の連携をより深め、多くの人々に愛され、選ばれる充実した阿蘇市を求めていくことが、今、必然的使命であり、コロナ後を見据えた持続可能な礎を創る正念場の時であります。
さらに、近年は、想定以上の災害が多発しており、いつ災害が起きるかわかりません。市民の皆様方の安心・安全を強化するため、引き続き、政府の進める国土強靭化に取り組むとともに、老朽化した防災行政無線をデジタル化した最新の機器に更新します。その取り組みは、スマートフォンアプリやSNSなどのツールへ瞬時にきめ細かな情報発信が可能になります。普段からの備えを大切にし、より安心・安全で災害に強いまちづくりを進めていきます。
これからも直面する課題に一つひとつ丁寧に向き合い、実践的な解決策に取り組み、阿蘇市が、発展的な進化を遂げられるよう市一丸となり、総力を挙げてチャレンジする情熱と力の入る大事な一年です。市民各位の一層のご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
結びに、これまで皆様とともに築いてきた阿蘇市が、笑顔あふれ希望に満ちた、輝く365日となりますことを心から祈念し、年頭の挨拶といたします。
令和3年 元旦