「恋人の聖地」広域市町村連携によるデジタル・シティプロモーション事業

令和5年度 地方創生交付金等対象事業の効果検証

■基本情報

事業名 「恋人の聖地」広域市町村連携によるデジタル・シティプロモーション事業
連携自治体 北海道七飯町、岩手県花巻市、山形県村山市、福島県田村市、石川県白山市、長野県須坂市、岐阜県山県市、静岡県西伊豆町、愛知県豊根村、大阪府貝塚市、大阪府泉南市、兵庫県朝来市、徳島県阿南市、高知県室戸市、福岡県小郡市、佐賀県基山町、大分県豊後高田市
実施 R3 R4 R5 R6 R7
実績 42,674千円 47,736千円 42,331千円

■事業概要

地方創生として目指す将来像 本事業の実施主体である18市町村は、当該地域に観光資源である「恋人の聖地」を有している。「恋人の聖地」は、NPO法人地域活性化支援センターが、2006年4月1日より、「恋」「恋愛」をテーマとした地域の活性化への取り組みによる『観光地域の広域連携』を目的に、全国の観光地の中からプロポーズにふさわしい地域・活動を選定した場所である。NPO法人地域活性化支援センターでは、恋人の聖地プロジェクトとして、地域の自治体や民間団体と連携して地域の新たな魅力づくりと情報発信を図るとともに、地域間の連携による地域活性化を推進しており、2016年には「恋人の聖地観光協会」(現在:全国の地方自治体・団体・企業209団体)を発足している。現在、「恋人の聖地」の来訪者は年間約7,000万人と推計されている。
2019年には、「恋人の聖地」を有する市町村が、広域連携による様々な事業を推進するために各市町村長で組織する「恋人の聖地観光協会市町村長会」(現在地方自治体数122)を立ち上げており、「恋人の聖地観光誘客連携による地域活性化事業部会(2010年設立)」が設立されている。さらに現在、「恋人の聖地広域連携によるデジタル・シティプロモーション事業部会(2021年4月設立予定)」にて事業の実施を予定している。
地方においては、各市町村の少子高齢化、東京一極集中による人口減少に歯止めがかからず、地域の衰退が懸念されており、さらに、2020年に入りコロナウイルス感染症拡大により、社会状況は大きく変化し、新しい生活様式に対応した施策が各市町村に求められている。
そこで、全国の市町村において、新しい生活様式に対応した効果的なシティプロモーションにより、地域の魅力を全国、特に東京をはじめとする大都市圏に向け発信することができ、市町村域の地域資源を魅力あるものに磨き上げることにより、観光振興による交流人口の増加に加え、関係人口の増加を図り、移住・定住による地方への人の流れを生み出すことができる地方創生としての将来像を目指す。
構造的な課題 地方の小規模の市町村では、全国的な人口の自然減に加え、東京一極集中などによる社会減により、地域産業が衰退し更に人口の社会減が進み、地域内で内発力を生み出す基盤が乏しくなっていることから、地域外からの支援を求める方法として「観光」に注目し、観光による交流人口の拡大による地域活性化策を講じてきている。しかし、地域内の基盤が乏しい上、小規模の市町村の脆弱な財政や人員では、地域の魅力の発掘や磨き上げ、近隣へのシティプロモーションが限界であり、東京をはじめとする大都市圏からの交流人口の拡大にはつながっていない。また、新しい生活様式への対応するため、更なる財源やノウハウが必要となっている。
このような小規模市町村の体制を補完するため、現在、国においても自治体戦略2040構想研究会にて地方圏の圏域マネジメントの推進が議論されているように、近隣自治体の連携は行われつつあるものの、全国規模での市町村間の広域連携、特に都道府県域を超えての広域連携は容易ではなく、議論もあまり進んでいない。現在の地方自治体制では全国的な市町村広域連携の推進は難しいと考えられる。
そこで、「『恋人の聖地』を有する市町村である」などの「縁」や「共通のテーマ」による「つながり」で、全国の小規模市町村が広域連携を進めるとともに、全国的広域連携で効果的なシティプロモーションを行う必要があるが、その実現にためには、各市町村において社会の変化(新しい生活様式やデジタル化)に合わせてデジタル化への移行、情報発信力の強化、デジタル化に対応した魅力あるコンテンツの創造及び市町村間、官民間を超えた連携が課題である。
事業概要 「『恋人の聖地』を有する市町村である」という縁を活用し、シティプロモーションを共通のテーマとして、「恋人の聖地観光協会市町村長会」加入の市町村のうち、広域連携によるデジタル・シティプロモーションによる地方創生事業に賛同する18市町村が連携し、次の事業を実施する。

(1-1)広域市町村連携シティプロモーション事業(SNS等の活用のためのポータルサイト等の基盤整備事業)
18市町村が共同活用できるプラットフォーム、SNS、共同制作物等を整備する。
・YouTubeチャンネル、SNS等の開設、ポータルサイトの開設
(市町村動画の投稿・コンテスト等実施・インフルエンサー、著名人とのコラボなど)

(1-2)各市町村の連携シティプロモーション事業
参画市町村は独自のシティプロモーションを実施し、18市町村が連携を図る。
また、ポータルサイト等の活用による連携シティプロモーション実施に向けて参画市町村は
・SNS発信用動画の企画、撮影、編集
・WEBサイト等の拡充、告知用バナー制作等
・チラシ・ポスター等告知用ツールのデザイン制作
・地域の事業者へのポータルサイトの活用促進PR等
に取り組む。

(2)地域産業拡大事業
各市町村域(農林水産・観光)のデジタル情報価値(バリエーション・魅力)を高めるとともに、ソフト系コンテンツを開発する。各市町村がモニュメント整備、回遊プラン整備、イベント等を通して恋人の聖地をはじめとする地域の魅力を向上させる。
・地域資源、特産品、農水産品〔ブランド化 、YouTuber・大使館等と連携構築〕
・全国に向けた市町村の魅力発信 〔地域人材・著名人・タレント等との連携構築〕
・商店、施設等によるSNS対応商品開発 〔おもてなしメニュー開発、地域キャラクターの活用〕

(3)情報ネットワーク・地域活性化事業
デジタル・シティプロモーション事業部会設立による市町村間の実施事業の共有、連携プロモーション等の実施とともに、各地域において事業者・市民・学生も巻き込んだ「地方創生」を実現するための啓発事業を実施する。
・都市圏からの共同誘客ネットワーク構築 〔広域連携結婚支援事業、体験ツアー造成、協働イベント実施、PR事業等の実施〕
・参画市町村連携「地方創生」リモートワークショップ等の開催 〔啓発・連携構築〕

(4)市町村のブランド強化・収益構築のハード事業

■KPI

成果指標

※恋人の聖地全体の数

基準値 目標年月 実績値 阿蘇市地域計画会議の意見
R3 R4 R5 R6 R7
観光入込数(人) 7,740,000 R7.12 2,327,399 5,056,138 7,563,653
ポータルフラットフォームへの投稿数(累計)(件) 0 R7.12 2,138 6,108 2,944
メディア掲載数(累計)(件) 0 R7.12 357 682 822

 

新たな拠点整備や地域の活性につながる事業が実施でき、地域のブランド力向上を図ることが出来た。

  • 経済部 観光課
  • 電話 0967-22-3174