行政不服審査法に基づく不服申し立て

行政不服審査法に基づく不服申し立ての概要

国民の権利利益の救済を図るとともに、行政の適正な運営を確保することを目的として行政不服審査法が改正され、平成28年に施行されました。

阿蘇市長、議会、教育委員会、監査委員、農業委員会、公営企業管理者が行った処分その他公権力の行使に当たる行為(下に掲げる一覧を除く。)について不服がある方(ここでいう「不服がある方」とは、違法又は不当な処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある方のことです。)は、行政不服審査法(以下、「法」と言います。)の規定に基づき、審査庁(処分を行った行政庁の最上級庁、阿蘇市長等)に対して不服申し立てができます。

不服申し立てを行うと、第三者機関等でその申し立ての内容について精査し、裁決を行います。

不服申し立て制度の特徴

不服申し立て制度には、行政訴訟と比較して、次のような特徴があります。

  • 簡易迅速な手続により国民の権利利益を救済することができること
  • ほとんど費用がかからないこと
  • 処分が違法であるか否かにとどまらず、不当であるか否かについても審理することができること
  • 不服申立てを契機として、行政が自ら処分を見直すことで、行政の適正な運営を確保することができること 

不服申し立て制度の対象となる処分等

法に基づく不服申立ては、原則として、全ての行政庁の「処分」及び法令に基づく申請に対する「不作為」が対象となります。ここにいう「処分」とは、いわゆる行政処分のほか、人の収容や物の留置など、公権力の行使に当たる行政庁の行為も含まれます。

ただし、法に定める一般的な規定を適用することになじまない処分等については、対象外とされているほか(法7条)、処分の根拠等を定める個々の法律に、法に基づく不服申し立て制度の対象外とする旨の規定が置かれている場合があります。 

不服申し立てができない処分等

次の処分等については、不服申し立てができません。

阿蘇市議会の議決によってされる処分等
阿蘇市議会の議決を経て、又は同意若しくは承認を得た上でされるべきものとされている処分等
国税又は地方税の犯則事件に関する法令に基づいて徴税吏員がする処分等
学校等において、教育、講習、訓練又は研修の目的を達成するために、学生、生徒、児童又は幼児若しくはこれらの保護者等に対してされる処分等
外国人の出入国又は帰化に関する処分等
専ら人の学識技能に関する試験又は検定の結果についての処分等
そのほか法7条に掲げる処分等

なお、阿蘇市では、阿蘇市情報公開条例と阿蘇市個人情報保護条例に基づく処分等に関して、この法律に基づく不服申し立てができない旨の規定があります。この場合は、個人情報保護審査会等に審査請求ができます。

なお、不服申し立ての種類は、原則として審査請求のみとなりますので、以下は審査請求について説明します。 

審査請求を行うことができる方、期限

処分についての審査請求は、法2条の規定により、「行政庁の処分に不服がある者」ができることとなっています。

また、不作為についての審査請求は、法3条の規定により、「法令に基づき行政庁に対して処分についての申請をした者」ができることとなっています。

審査請求を行うことができる期限としては、法18条1項の規定により、「審査請求は、原則として、処分があったことを知った日の翌日から起算して3月以内にしなければならない」とされています。ただし、その期限を過ぎた場合も、「正当な理由」がある場合には、審査請求が認められます。 

審査請求の裁決が行われるまでに要する期間

審査請求があってから、裁決が行われるまでに要する期間は、最も短くておよそ4ヵ月、長い場合は1年以上となります。

審査請求の内容、法に規定する様々な手続きの実施の有無、行政不服審査会の審査などによって、裁決までに要する期間が変わります。

なお、法16条に規定する「審理に要する標準的な期間」は、1ヵ月としています。 

審査請求の事務手続きの流れ

審査請求の事務手続きは、大まかに次のとおり行います。gyouseifufuku

 注意
・審査庁と処分庁が一致する場合があります。
・審理員の指名を行わない場合があります。
・行政不服審査会への諮問を行わない場合があります。

審理員による審理

審査請求があったときは、その内容や処分等の妥当性などについて、審理員が審理を行います。

審理員とは・・・

法では、審査請求の審理の公正性・透明性を高めるため、原則として、審査庁に所属する職員であって当該審査請求に係る処分等に関与した者又は関与することとなる者等の一定の要件(除斥事由)に該当しない者(審理員)が、審理手続を行うこととしています。
審理員は、個々の事件に関する審理手続については、審査庁の指揮を受けることなく、自らの名において審理を行い、その結果を、審査庁がすべき裁決についての意見書である審理員意見書として審査庁に提出する役割を担うことになります。

阿蘇市では、審理員となるべき者の名簿(審理員候補者名簿)を次のとおり作成しています。審査請求があったときは、この名簿の中から審査請求があった事件に関与していない職員であって、かつ、法9条2項の排斥事由に該当しない職員を、市長等が審理員として指名し、指名された審理員が審理を行い、審理員意見書を作成します。

審理員候補者名簿

番 号 職  名 備 考
1 総務部長  
2 市民部長  
3 経済部長  
4 土木部長  
5 教育部長  
6 その他市長が指名した職員  

なお、法9条1項ただし書きの規定により、教育委員会や農業委員会といった合議制の機関に対し審査請求を行う場合は、審理員の指名を行わないこととなっています。

第三者機関への諮問

審理員意見書が作成されたあとで、その意見書や事件記録といった関係書類を第三者機関に提出し、諮問します。阿蘇市では、熊本市をはじめ12市町村で共同設置した「熊本広域行政不服審査会」を第三者機関としています。

熊本広域行政不服審査会では、諮問を受けて、学識経験者や法曹関係者が審理員意見書及び事件記録の内容を精査し、裁決についての考え方を整理したうえで、審査庁に答申を提出します。

なお、法43条1項各号に該当する場合は、第三者機関への諮問を行わないこととなっています。 

裁 決

審査庁は、行政不服審査会等の答申を受けたときなど、裁決をするために必要な手続を経たときは、審理員意見書や行政不服審査会等の答申書等の内容を精査し、裁決を行います。

裁決では、審査請求に対して、却下、棄却、認容のいずれかを決定し、法52条の規定により、関係行政庁を拘束します。

却 下 審査請求が不適法であるときに、審理を拒絶するもの
棄 却 審査請求の対象となった処分等を認めるもの
認 容 審査請求の対象となった処分等が違法又は不当であると認め、処分等の全部若しくは一部を取り消し、又はこれを変更するもの。

この裁決に不服があるときは、行政訴訟を提起することができます。
また、一部の処分(生活保護法、国民健康保険法、介護保険法等に基づく処分)等では、審査請求を行わないと行政訴訟が提起できません。

お問い合わせ

上記のように、行政不服審査法に基づく不服申し立てについては様々な事務手続きがあるため、それぞれの事務手続きの詳細については、下記にお尋ねください。

総務部 総務課 総務係 電話:0967-22-3111

  • 総務部 総務課
  • 電話 0967-22-3111